23・12・3

 平岩弓枝の作品はごく僅かしか読んでいないが、この本は女の心理、しかも大かたは男に捨てられた女の遺り場のない心理を描いた秀作。男では書けないと思う。しかし、そうかな、と思うだけであって、それが救えなるわけではない。短篇がいくつか並んでいるが、どれも終局は似ている。