23.11.15

この20日間の間にお二人の本を10冊ほど読んだ。三浦さんのもの3冊、曽野さんのもの7冊である。二人は夫婦で50年以上お互いに作家として活躍し、その功で二人とも文化功労者になっている珍らしい例である。

曽野さんの方が早く売り出し、又、カトリックでクリスチャンであるが、お二人の本で互いのことを述べている。もちあげるのでもなければ、といって意図的にけなすのでもない。

つき放した眼で物事を見られなければ作家にはなれないが、さりとて底にお互いを認め、許す心がなければ、読んでいる方が嫌になるか、飽きるかするに違いない。

お二人とも私より若いが、戦争の経験は充分に持っているので、戦後に生まれた人にはない辛い運命を味わざるをえなかった共通した人生観が見られるのである。

三つ子の魂百までと言うが、私は、小学生の頃数年間かなり熱心に毎日曜、メソジスト派の日曜学校に通っていた経験はそういうことのなかった人と多少なりとも違うキリスト教に対する親しみのような気持を持っているのではないか、と思う。

人は必ず死ぬ。一日を生甲斐をもって送りたいという切望をどのようにして生かすことができるか、私にとっても大きな課題である。

とくに曽野さんの本を読みながらその思いを深くする。