23.11.1

11月1日、期待の最新鋭中型旅客機ボーイング787型機が世界で初めて日本の空に定期便として就航する。同機の主要部分には日本の技術が多用されており、注目を集めている。国産の航空機としてはYS11型機182機の製造をもってうち止めることとした以後、旅客営業輸送用の航空機の国産は途絶えていた。

米国政府は日本が大型航空機の製造を開始することを歓迎していない向きがあり、かつて日米の貿易摩擦を解消することを、田中・ニクソン会談において議論された際、米国からの大型旅客機の買付けが重要なテーマにあがっていた。

YS11機の製造を中止したのは、同機の生産コストが高い割に売却価格が安く、一機約3億円もの赤字が発生し、合計400億円もの赤字を残すようになり、その処理をあらかた政府が引き受けるようになったことが主たる原因であった。

その後米国の大型旅客機の製造に日本のメーカーが部品を受け持つという形で参加をしたが、今回のように主要部分を日本の技術が受け持つというのは初めてである。航空機の性能を左右する主翼をはじめ、胴体部など重要な部分が日本製である。技術面では炭素繊維複合材(CFRP)を大量に採用した。CFRPの特徴は軽量かつ高強度であることであって、軽量化による燃費の節約効率、二酸化炭素(CO2)排出量の軽減も期待されている。

日本の先端技術を盛り込んだB787が世界の空を変えてくれるものと期待されている。