23・10・18
当面は東京から名古屋までの、それから先は大阪までのリニア・モーターカーの布設が決まったという。
今年も7月31日、その前日が大正百年に当るというので、その記念の祭で、岐阜県恵那市(明智町)大正村の式典に出かけた。家内が十数年来財団法人大正村の村長に、私も名誉顧問となっている。
その席でリニア・モーターカーの路線が決まり、多治見に駅が作られるというのが話題となっていた。東京から3・40分で来られるようになったら、通勤さえできるのではないか、という。
それはいいとして、そうなったら今の新幹線などはどうなって行くのだろうか、という疑問が涌いてくる。
東京名古屋間に新幹線が走るようになってから、その間の航空路線は廃止になった。一つの例である。
私が平成2年に経済企画庁長官に任命された時、同時に全国の交通計画の担当大臣に任じられたが、正直言って実際に腕を振る折はなかった。鉄道、長距離バス、航空機はそれぞれ競い合って勝手に計画を樹てているに過ぎなかった。
新全国総合開発計画は全国各地域から熱い期待をもって迎えられたが、列島改造が地価の暴騰を招来したとして一転強く批判されるようになった。
私は、交通体系についてもいろいろのジャンルの交通機関をどにような斉合性をもって開発整備を進めて行くかについて全国的かつ長期的視野に立って調整し、企画、立案をするところがなくてはならない、と思っている。
その意味でリニア・モーターカーの布設についても以上述べたように充分に検討が必要であると思っている。