23.9.27
民主党の政権になってから、いわゆる予算の事業仕分けが俄然脚光を浴びるようになった。蓮舫先生の得意の舞台であったが、例の「何故二番ではいけないでしょうか」の発言ですっかり点数を落したのはお気の毒であった。
このような公開の場での事業仕分けについては、どうしても大衆討議となって、一般受けを狙っての思惑的発言が先に立つという弊害がある。また客観的に公平な意見を述べるというよりも、むしろ「いけいけドンドン」という勇ましい議論の方が受けるという感じがあって、とかくことの理非・曲直よりも感情的なものが先に立つおそれがあるということ、それからもうひとつは事業の中身によってその予算計上の必要性が議論されるわけであるけれど、なかなかそのどうしても来年度予算に計上しなければならないというような判断をするのは難しい経費もある。
例えば文化・芸術に関するような事業というものがそういうものである。私が文部担当の主計官をしていたとき、六・三制がスタートしたころの話であるけれども、二部授業とか青空教室、講堂間仕切り使用といった、いわゆる不正常授業の解消と公民館や博物館の整備・補助と、どちらが必要かとなってくるとどうしても小中学校の校舎の整備が先に立って、文化・芸術関係の予算は後回しとなる。特に今つけなくてはならないと言う必要性を力説することは、なかなか難しいというような問題があった。
これは文教予算だけに限らず、そういうような選択問題として取り上げられるのである。