23.9.4

今年七月三十日が丁度大正改元百年目に当るというので、岐阜県恵那市に置かれた大正百年事業実行委員会が主催、総務省、岐阜県の後援をえて大正改元百年記念式典が盛大に行なわれた。式典のあとは数々のイヴェントも行なわれ、最后は提灯行列で締めくくった。

大正時代は明治と昭和の間十五年という短い期間であっただけに政府主催にかかる明治百年の記念事業のように盛大に実施することができなかったことは大正生れのわれわれとしては残念なことであったが、それはそれとして、一つの是非実現したいことがある。

大正時代は短かったけれど大正デモクラシー、大正ロマンという言葉が残っているように特色のある時代であるし、実に多くの企業の発足を見ているので、その大正の期間の文物を保存し、後世の人々に見てもらうことは大へん意義のあることと思っている。

大正村は恵那市明智町の町並みが大正時代の面影をそのまま遺しており、それを後世にわたり保存しようという所から設立された財団法人である。大正時代のいろいろな資料も少なからず収蔵しているし、それを展示する建物は既に一部存しているが、更に眠っている多くの資料を展示する場所を作ることがかねて願望されていた。

大正百年記念事業の一つの目玉として、その実現を図るために大正百年記念基金を設置し、大正の名を冠する企業のほか大正年間に発足した企業、又大正村の村民など大正村に関係ある人々によびかけることとしたので、是非ご協力を願いたいと思っている。

恵那市に設置する「まちづくり基金」へご賛助いただければ免税措置はとれるようになっている。為念