23・10・2

 8月末日経平均株価が2400円を割り込み、8000円程度まで下落する可能性があるという。一方円は1ドル7595銭の戦後最高価を上回る可能性があり、ユーロも20年ぶりのユーロ安水準となる101円台に突入し、100円の大台割れもさゝやかれている。

 ソニーの想定為替レートは1ドル115円前後で、1円につき年間営業利益が60億円減るという。

 半導体メモリーDRMの製造で世界第3位のエルビーダメモリーは主力の広島工場の生産能力の約4割を台湾の製造子会社に移す方針を明らかにした。

 パナソニックは携帯電話やパソコンなどに使う民生用リチュウムイオン電池の国内工場を半分の四ヶ所に集約、今後国内の大型投資は見送り、中国での生産を拡大、34年後をめどに12割にとどまる中国での生産比率を5割程度に高めるという。

 これらはごく一部の例に過ぎないが、このように工業生産は続々として生産拠点を海外に移している。この動きは当然に国内の雇用人口の減を招来する。さらに生産の拠点にとどまらず、今や本社機能も次々と海外に移る動きがとまらない。勿論法人税率の高いことも原因となっている。

 さて、このままでいいのかである。なかでも円高は極めて重要なポイントである。日本一国だけの為替の介入では何ともならないことは明らかとなっている。

 そこで財政再建、震災対策と称しての一般歳出の削減、各種の増税論議である。これは、再三言うが全く政策としては逆方向である。財政支出の増大は国債の増発又は日銀借入れで賄い、存分に必要歳出を計上し、簡単に言えばデフレ状態から脱却するようにする。これ以上に今より円高に向ける方策はないと思う。一応にも二応にも真剣に考えるべきであると思うが如何。