23.7.2

7月20日付の毎日新聞において上記標題の記事を見て、舞鶴における引揚桟橋の復元を知った。昭和20年8月15日の終戦後、ソ連邦に抑留された60万将兵の携行していた物品でソ連邦内に残置しているものはすべて返還されることになっている。平成三年ソ連邦のゴルバチョフ大統領が来日の際、日本とソ連邦との間に締結された協定によればそれらはすべて日本に返還されるべきものとなっているが、現実にはほとんど実現されていない。

一昨年私ども全国強制抑留者協会の代表がモスクワを訪れ、ロシアの関係官庁にそれらの品物の返還促進を申し入れたところ、すべて終っているような回答であった。

私は将校下士官数万人の帯びていた軍刀はぜんぜん返還されていないではないか、それをぜひ返還して貰いたいと発言したら、役人の諸公は顔を見合わせて「さて、そんなものがあるかな」という返事であったことをもってしてもロシア側のこの問題についての誠意は大いに疑われて残念でならない。

「抑留」の語り部復元というからには、それらの品物返還をさらに強くロシア側に外交ルートから要求すべきである。