23.7.21
国内景気の低迷に加えて東北大震災・原発事故などの原因によって国内生産が低下しているばかりでなく生産拠点を国外に移す勢いが加速していることは注目すべき現象である。しかも従前はレイバーコストが安いなどの理由によって、生産工場を海外に移す傾向は大いにあったが、さらに円高、放射能被害の危険などによって本社機能を含めて企業そのものを海外に移すという事態が加速されてきているのは大変に問題である。
日本の国の経済をめぐる環境がよくないにかかわらず、円高ドル・ユーロ安が加速していると言うのは理解し難い面もあるが、米国と欧州でほぼ同時に政治の停滞感が濃くなり、市場の不振が増幅しているのが大きな原因である。
これらは日本政府の努力などによって修正しうる事態ではないが、国内における対策としてはともあれ景気の振興に努めることが第一であると思う。それだけに目下議論されている東北災害の復興財源対策として法人税・所得税あるいは消費税の増税が検討されているが、反対である。それらの増税措置が景気の抑制に働くことが明らかである以上、行なうべきではない。まずは国債の増発、日銀借り入れによって財源を調達し震災復興に思い切った手当てをすべきである。