23・6・19

 著書佐岐えりぬ。この本の奥書には彼女について「詩人・エッセイスト・朗読家」。1932年和歌山に生まれる。同志社大学を経てパリ大学に留学。云々とあり、著書が並んでいる。

 私にとっては旧制一高の2年先輩で文芸部の中村真一郎の夫人である。彼の和漢洋にわたる博学ぶりと句読点のないような長ったらしいが不思議に読ませて了う文章はとても眞似のできるものではないと思っている。彼は單に書斎の文芸家ではなく、演劇などにもたずさわって才能を発揮している。尊敬すべき先輩である。

 この本に現われる作家に知っている人もいるので、懐かしさ混えて興味をもって読んでいる。