23・5・31
この度の東日本の大地震・大津波でとにかく漁業の被害が大きい。漁船が流されて建物の屋根の上に乗っかったままになっている姿を何度もテレビの画面に映し出されていたが、漁船の被害にも増して大きかったのは漁港の被害である。
石巻、小名浜などの漁港が壊滅的被害を受けたと言われるが、三陸の漁業を復興させるには、何といっても漁船が要るが、水揚設備としての漁港の復旧は不可欠である。銚子や被害の蒙っていない港を差当り使用するとしても、従来使用しているところとの競合、冷凍施設(製氷設備や倉庫)の不足などがあって、問題は簡単には解決しない。
漁港集落は低地にあって再度被災の危険性があるし、その根本的な対策(集落の高所移転など)を、計画だけでも早急に決定しなければならない。
一つの自治体に十数ヶ所の漁港を抱えているところなど、リアス式海岸のせいもあろうが、復旧に際してはもっと数少なく集約したいという声はあるものの果たして実現できるか。問題は漁民の生活に直結しているだけにそう簡単には結論が出ない。
三陸沖はアメリカの東海岸沖、北海などと並んで世界の三大漁場の一つであり、又、その中でも最も効率的な漁場であるとされているだけに、その漁場の回復は日本の水産業にとって進眉の急である。