23・5・30
民主党は5月30日東日本復興法案について自民党の対策に沿って復興庁の設置を明記するのみでなく、これに企画立案や統合調整の機能に加えて実施機能を持たせ、復興財源を国債で賄う方針を盛り込む考えを伝えた。31日夕方には民自公三党の実務担当者により正式な協議を始めたい意向であるという。
さて、その方針は賛成であるが、問題は復興庁にどの程度実施機能を持たせるか、ということである。
かつて沖縄が返還された際沖縄開発庁が設置され、沖縄に関して各省庁の縦割り行政を纒めることにして、一応それなりの成果を挙げたことを思い出した。
官庁の権限争いは容易に改められるものではない。かつてGHQの占領時代に経済安定本部の公共事業課が各省の公共事業予算の報行をコントロールした例に做って国土開発庁設置の構想を田中総理に進言した際も、建設省を始めとする各省の強い抵抗にあって総理の剛腕をもってしても諦らめ、国土庁といういささか権限乏しき官庁の設置にとどめざるをえなかったことを想起するのである。
復興庁をして本当に被災地の復興に強力な推進力を発揮せしめるためには、少なくとも公共事業について一括計上の原則を貫くようにすることが必要であると思っている。と同時に担当大臣には各省に睨みの利くような人物を据えなければなるまい。政治はポストだけでなく、やはりそれを動かす人が要である。