23.5.12

 国民生活センターを2013年度に廃止して情報提供などの機能を消費者庁に一元化するという方針が固まったと伝えられているが、反対である。

 そもそも消費者庁を創設する時から国民生活センターとの関係が問題となっていた。

 そもそも消費者庁などという役所の存在は難しいものなので、一体どんな権限があって、何をするか、何ができるか、という点がよくわからない。

 各省の行政がテーゼであるとすれば、消費者庁の行政はアンチ・テーゼであるから、大体各省の気に入らない事を消費者の立場から言うことになる。ところが、ポット出の小官庁が物を言っても、なかなか既存の役所とは角力にならない。そこで、国民生活センターのやっている仕事ぐらいを自分でやってみたくなるのではないか、と見ている。

 本来は、消費者の立場にたって、他の役所に対してもっともっと、嫌われてもいいから物を言ってこそ存在理由があるのである。

 かつて、行政管理庁も経済企画庁もそうであったが、各省庁からの出向役人が多くいて、それぞれ自分の出身省庁を向いて仕事をしていて、自分が古巣に戻ることを絶えず頭において行動するものだから、つい発言や行動が鈍るという難点があった。

 消費者庁もその轍を踏んでいるのではないか、という気がするが、それを是正するには思い切って新しい人を採用して働かせるのが一番いいと考えるが如何。

 国民生活センターは実行機関として残すべきである。純然たる役所ではないメリットはある。