23・4・17

 ドイツのメルケル首相は415日「脱原発」の見直しを進めてきた対策を転換、国内の原子炉全廃を早期に実現する方針を決めたが、福島第一原子力発電所の事故を受け、原発対策の変更を余儀なくされた形だ、といわれている。

 二十年以上も前に自民党の原発視察団(小生団長)として、ドイツのビブリスの原発を視察したときを想起する。ライン河畔に位置し、六〇万キロの発電機二機であったと記憶している。二次排水のため、廃出口付近で河水の濃度が四度程上昇して、却って魚が増えたこと、毎日夏に他の国の学生あたりが沢山集まって、発電所を取り囲み、反対の気勢を挙げるけれど、リクリェーションの旅行を兼ねたようなもので、乱暴はしないという説明であった。ただ、稼動率については、どうしても解答はえられなかった。

 いずれにしても、歳月の経過は対策にも影響することがある。といっても、原発不用論は成りたたないと思っているが、メルケルの動きが、他国にどう波及するか、深い関心を持っている。