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 この度の災害で液状化現象が災害を大きくしたと言われている。

 その言葉を初めて知ったのは、昭和39年の新潟大地震で万代橋が脆くもやられた時である。あとで現場を視察したが、地震によってには違いがないが、水がピアの基盤に浸透し、ぐずぐずの状態になって傾いて、橋桁が崩れ落ちたものであった。砂浜が乾いている時は甚だ固くしっかりしているが、海の水をかぶると途端にメロメロに柔かくなって了うようなのが原因であった。

 次に、鳥取県西部に平成12年地震が発生した時、埋立地の竹内団地とかって河川敷か何かを埋め立てて住宅地とした所が液状化現象によって、家は傾き、道路は陥没して車も通れないようになった惨状をつぶさに見た。

 そのような例しか私は知らなく、まだまだ先例はあるのではないか、と思うが、問題は何故そのような過去の先例が生かされていないか、ということである。日本中に千拓地や埋立地は山ほどある。その何処もが液状化の被害を蒙る恐れがあろう。予防方法といっても金がかかるし簡単ではないと思うが、今からでも遅くないから、全国の埋立地などの液状化の恐れあるところを調査し、その対策を充分練る必要があるのではないか、と思う。