大阪都や中京都を作る話が一部にはある。もともと大阪府や愛知県に限らず、府県と府県庁所在地の市との関係は複雑、微妙なところがあって、大体仲が良くない。というのも、地域的に重なっているところで同じようなことをしようとするからである。時には張り合ったり、お互いに悪口を言ったりする。

 例外はあるが、大方の府県では市町村の大型合併に必ずしも賛成しないところもあったが、それも市町村の合併によって大型の市、とくに政令市のようなものが出来上ると、府県の力が弱められる怖れがあると思っているからである。さらに、市町村の合併促進は終極的には道州制への移行へと傾斜して行くのではないか、と思っているからである。

 官庁はおよそ権限で生きている。生甲斐である。権限が削減されるような改革に反対する所以である。

 確かに府県と市町村で二重行政になっているかと思われることが少なくない。例えば徴税である。市町村が府県と市町村の住民税を一緒にとっている。もっとも一緒にとっているから二度手間になっていないとも言えるが。

 それにしても、都というのは東京都だけでいい。大阪は大阪府、愛知県は愛知府とし、大阪市、名古屋市はそれぞれの府の中に吸収し、数区を設けたら如何。もっともそこまでするなら、兵庫県、神奈川県を府とし、神戸市、横浜市に吸収し、数区を設けるも可。