23・2・26

 表記の題の曽野綾子さんのエッセイ集を一気に読んだ。裏に平成11826日購入と記している。10年も前である。買ってそのまゝになっていたのであるが、もっと早く読むべきだと思った。サンケイ新聞の景山勲編輯委員が「温かく、合理的な生き方を示唆するエッセイ集である」と解説の最後を結んでいるが、同感である。

 曽野さんとはずっと前に何かの雑誌で対談したことがある。その時も感じたが、常に自分を失わない人で、いかなる場合にも自分の眼で物を見、自分の頭で判断し、自分の意思で行動する人、そういっては失礼になるが女性には珍しい人だと思った。その印象はこのエッセイ集を読んで、ますますハッキリしたが、読み終えて爽やかな感觸はなかなかえ難いものであった。敢えて御一読を推奨する。光文社文庫刊である。