度重なるシー・シェパード(SS)の妨害行為で日本の調査捕鯨は遂に中止に追い込まれた。暴力に屈する形となったのは、まことに遺憾であるが、日本側は捕鯨船の乗組員の安全を守るための苦渋の決断であった、と言っている。

 捕鯨が何が悪いのか、私にもわからないが、どうも可哀相だという感情論が先行しているようである。ならば、スペインの闘牛は公衆の面前で槍で牛をいびり殺すが、あれはどうなのだ、と当然反論したくなる。事実、スペインでも今や止めるべきだという声が一部では高くなっているようである。

 人間の食べる魚の量よりも鯨の食べる魚の量の方が大きいという調査結果があるし、又、鯨が絶滅する怖れは目下のところないのだから、調査捕鯨をとめる理由はないと思う。

 現に、ノルウェーは商業捕鯨を実施しているし、先年ノルウェーに行った時、ベルゲンの漁業庁の役人からお前の国は何故商業捕鯨をやらないのか、やったらいいのではないか、と言われたことを思い出す。

 戦後、学校給食で重宝がられたのも、今は昔となり、調査捕鯨でとった鯨の肉が価格が割高なせいもあってか、なかなか売れず、在庫が増えていると聞いている。そのことも調査捕鯨を一旦とめてもいい蔭の理由ともなっているのかもしれないが、いずれにしても暴力に屈する形でとめるのは適当ではない。

 私は、長いこといわし食用化協会の会長を務めているが、鯨食用化協会でも作って滞貨をなくし、捕鯨を再開することを考えた方がいいかな、とも思っているが、諸賢如何。