2003・1・25

 つい、この間行われた米中首脳会議についての報道を聞く限り、米中の関係者が主として経済問題を軸として近づいたように見えるが、互いに相手を利用しようとしつつ、探り合う面があることを感じた。当り前である。

 中国が米国から多量の航空機を売りつける話には米国は大歓迎であろうが、人権問題は一言言わざるをえない。他国の内政問題に口をはさむな、と言わんばかりの中国の態度だが、それで米国民は済まされるだろうか。

 中国のGDPは逆に日本を抜いて米国に次ぎ世界第二位になったという。その内米国を抜いて世界のトップに立つと言うが、ありうる話である。米中の経済力の相克の谷間に日本が沈む危険性が高いが、ことそれが軍事力に響くことは必死で、その状況のもとで日本がどういう役割をはたすのかに今から懸念をもっている。

 抽象的な書き方をしたが、具体性をもって近づいてくる問題だけに、国としての対応策の確立が政治の面でも求められる。

 戦前に生まれて、戦争を身をもって体験し、戦後の急速な復興期を経て、ここ十数年の停滞を知るだけに心配でならないのである。