どうもこのところ菅内閣のすることなすこと危なっかしくて見ていられない気がしてならない。長らく野党にあって行政の実態を知らない人達がいきなり権力の座についたはいいとして、従らに官僚の知識も経験も無視して行政を展開しようとして、到るところでヘマをやらかしている、といった姿である。

 今までも官僚‐霞ヶ関と言われている‐が政治を牛耳ったことはない。限界を心得た官僚は、早い話が1つのテーマについて書こうと思えば、A案に賛成する答えも反対する答えも即座に作るくらいの能力を持っている。しかし、基本的な方向は飽くまでも政権を握っている政治家が決めうる態勢にあるのである。

 それを初手から、そして頭から官僚の意見を無視して藪から棒に結論を出して、これに従って作文をせよ、というような高圧的な態度をとれば、それそこは一寸の虫にも五分の魂と言うではないか、反撥をし、甚だしきは面従腹背の所業を為すようになるのである。要するに優れた技術をもっている官僚を使いこなすことを考えないで、腹の中でバカにされつつ、しくじってしまうのである。

 聞くところによると、今や官僚はやる気を失って、言われた最小限のことをしゃくしゃくと実行しているような雰囲気であるという。

 こんなことで、一国の行政がうまく行く筈はないし、いくら政が張り切ったところで、空回りとなってしまうのである。

 私は、戦時中暫く乗馬中隊にいたが、馬だって乗り手の上手下手を巧みに見分けて、下手な騎手が乗ったら、逆立ちしたり、曲がり角を急に曲がったりして、騎手を振り落とすようなことをするし、ひどい時は鐙にひっかけられた脚が離れず引きずられて大怪我をしたりするのであった。

 譬が適切でないかも知れないが、やはりちゃんと練習もし、勉強をして馬に乗って欲しい。


22・10・17