このところ世界各地にあり埋蔵量も豊富な新型の油田・ガス田の量産計画が相次いでいる。伊藤忠商事は米国で地中の岩盤層から原油を取り出す計画事業に参画し、約4億ドル(約320億円)を投じるし、丸紅もオーストラリアで石炭層にあるガス田を採掘、液化天然ガス(LNG)に加工する事業を始めるという。

 今まで、わが国は中東の石油に頼ることが多過ぎて、輸送の面などで支障を生じることがあっただけに、このように石油の他にガスの開発に乗り出すとか、エネルギーの安定供給を確保するために調達先の多様化が必要である、とされていた。

 地球の温暖化防止のために化石燃料の消費を抑えることは世界的な課題となっていることは言うまでもない。水力・原子力のほか、風力・太陽光・地熱・潮流などあらゆるエネルギーの利用が進められており、ガソリンや重油、軽油に替えて電気自動車の開発も世界中で進められているが、といって石油やガスというエネルギー源の確保が大事なことは言うまでもない。それだけに冒頭に掲げたような事業が今後も志ある企業によってどんどん進められることを期待しているのである。政府も必要な資金的、外交面での支援を惜しんではならないと思っている。


22・10・17