菅首相を初め閣僚の諸士も尖閣諸島の事件が起きるや「領土問題はない」という言葉を口にしているが、どうもその表現が気になってならない。

 尖閣諸島が日本の領土であることは歴史的にも表明されているし、竹島と異なり、日本の実効支配下にあるので、そもそもその諸島が何処の国に所属をするかなどについて議論の余地はない、という意味で「領土問題はない」と言明しているのだと思うが、どうも素直にそういう受けとり方をしないで、逆にとられてしまう懼れが皆無であろうか。

 もっとハッキリと、尖閣諸島は日本の領土であることは疑いないという土合にピシャリと内外に向けて言明して欲しいと思っている。

 日本人が尖閣諸島で上陸しようとするのを阻止してみたり、自衛隊を配置する気はないようなことを言ってみたり。ともかく、現内閣は尖閣諸島の領有権問題については腰がひけているように思えるのはひがめでなければ幸いである。少なくとも実効支配をより明確にするために灯台の建設、自衛隊の配備など、丁度韓国が竹島でとっているような措置をこの諸島にとってみるような気迫がない。じりじりなし崩しに爪を伸ばしてくる中国にしてやられるようには決してならないように、反撥されても日本の実効支配が認められるような諸処置をとるべきではないか。

 近く日米尖閣奪閣演習が行われると新聞各紙は伝えているが、演習も構えだけではなく、是非実践的な演習を試みてもらいたい。

 相手は自分で海上保安庁の船に体当たりをくらわせておいて、日本側がつっかけて来たというようなことを臆面もなく言う国であることを念頭において、本当にお人よしの外交にならないように気を引き締めて折衝に当って貰いたい。

22・10・17