レアアース(希少な土)は、存在する量が少なかったり、純粋な形で取り出すのが難しいレアメタル(希少金属)の仲間で、17種類の異なる元素の総称である。自動車や家電製品、一般機械などに幅広く使われ、主要素材に少量混ぜるだけで、飛躍的に性能が向上することから「産業のビタミン」とも呼ばれている。問題なのは、現在世界の生産量の9割以上を中国が占めていることである。
尖閣諸島における中国漁船の衝突事件後、中国はこのレアアースの日本への輸出を差し止める擧に出たが、同じく国内需要の9割り以上を中国に依存している米国内でもこのことが問題として取り上げられ、下院本会議は9月29日レアアースの自給体制の確立を目指す法案を確立した。
わが国でも米国以上にレアアースの輸入制限を問題として採り上げられているが、既に始められている代替品の開発などを一層強め、所要の資金の手当、法制の整備などを政府が実施し、中国からレアアースの輸入が止まっても堪えないようにすべきものと思う。この辺で中国に見くびられて、主張すべきことも言わないでいるようなことにならないようにしたい。
22・10・17