先ごろブリュッセルで行われたアジア欧州会議(ASEM)首脳会議で菅首相が中国の温家宝首相と会談した際、菅首相の発言は日本側通訳が英語に訳し、それを中国側通訳が中国語に訳し、温家宝の発言は中国側の通訳が日本語に訳したという。
産経新聞の10月13日の「オピニオン」で曽野綾子さんは日本側は何故中国語の通訳を用意しなかったのか、と非難している。もっともである。
通訳で一言一句を確かに伝える能力のないものが少なくないが、それは論外としても、意図的に内容を変える懼れがあることは、GHQ時代に米側とやり合った私達は身に滲みて感じている。
人を信用してはいけない外交と言われているが、その通りである。中国語の通訳を準備していなかったのは迂闊では済まされない。今後、ゆめゆめこんなことが起こらないように万全の準備をすべきである。
22・10・15