ノルウェーを全まき(全国まき網漁業協会会長相沢)の代表者一行と1週間ほど旅をした。1年前からの企画で、前回は12年前であった。ノルウェーは日本以上に漁業国であり、漁業もいろいろな面で優れた点を持っているので、それを見学するのが主たる目的であった。漁業省、船主協会、代表的なノルウェー・ベルジック社、ノルウェー青物漁業組合などを訪問。各数時間にわたって質疑を交えて説明を受けて、いろいろ参考になった。

 青物(浮魚を言う)の漁協では全国にわたり各種(さば、いわし、にしん、さんまなど)の入札を瞬時に行う組織を持っている。日本式のせりではなく、入札である。最低入札価格も設けられているという。大体が漁業者(フィッシャリー)に有利な仕組みとなっている。

 浮魚以外のえび、カニなどについても似たような入札組織が存しているが、青物ほど整備されていないという。

 鯨について、日本は調査捕鯨を行っているが、ノルウェーは商業捕鯨を行っている唯一の国である。鯨が人間の食べている魚以上に多量の魚を食しているし、全体として頭数も増えているので、鯨をもっと捕れば、鯨の肉も食べられるし、鯨の食べる魚も人間が食べられるようになる。日本も商業捕鯨に踏みきったらどうか、と前回ノルウェーに来た時漁業省に薦められたが、IWAの会議では日本の調査捕鯨ですら未だに議論されている状態であり、又、終戦直後と違って鯨を食べる習慣から遠くなっていることもあり、価格の関係もあり、関係業界は商業捕鯨について余り積極的ではない。

 今後、どのように進むべきか、課題である


                                   22・9・15