8月3日の衆議院予算委員会で菅首相は、年末の税制改定で現行40%の最高税率の引き上げを目指す考えを明らかにしたというが、私は反対である。
そもそも、わが国の所得税については、かつて諸外国に比して累進制が厳し過ぎるとか問題となって、幾度かの改定を経て、現行制度となっている。
所得再分配の考え方を否定するものではないが、社会保障その他いろいろな国からの助成措置について、幾多の所得制限措置がとられているので、これ以上所得の再分配を強化する目的で税制改定を行うとなれば、さなきだに言われている高額所得者の海外流出などを招来する懼れがあって、却って国益に資することにならないから、この種の税制改定は務めて慎重な検討が必要であるが、今回の改定の方針は反対である。