インドネシア中央銀行は、8月3日、自国通貨ルピアのデノミを検討していることを明らかにした。2020年ごろに現在の10000ルピア(約100円)を1~2ルピアぐらいにしたいと考えているという。

 日本でのデノミ議論は消長がある。昭和46年、私が理財局(幣制制度を所轄)の局長をしている時、水田大蔵大臣、鳩山主計局長の3人でデノミを推進することを申し合わせていたが、このニクソショックなどがあり実現をみなかった。その後、福田大蔵大臣も強い意欲を持っていたが果さなかった。

 私は、昭和51年、衆議院議員になってから「デノミ推進議員連盟」を作り、会長となってデノミの実現に努力して来たが、いろいろ障碑があって果せず、議連の会長は鳩山氏の次男鳩山邦夫君に引き継いで今日に到っている。

 デノミの必要性については、改めて記したいが、先進国のなかで対ドル三桁以上の換算レートの通貨は、イタリアがEUに加入して以来日本だけとなっていた(もっとも今は1ドル百円を割って2桁となっている)。

 物価、為替、経済状況などの安定に加えて政情の安定もデノミの実施の前提条件とされているが、かつふつこれらの条件を満たしている今こそデノミを実施すべき時ではないか、と思っている。

 デノミは経済に対し一般的にはインフレ効果を持つと言われている。インフレターゲットを設定せよと言われている今は、正にデノミ実施の時期にふさわしいのではないか。