今回の参議院選で民主党がとくに一人区で議席を大幅に失った。29のうち民主党の候補が当選したのは8に過ぎない。
その原因は何か。新聞各紙は民主党の地方組織が自民党に比べて弱いことを挙げている。それは間違いではないと思う。
しかし、自民党も参議院選の候補者が強固な支援組織を持っているのではなく、党としての組織がここ数年の間に昔と比べれば格段に弱くなったにかかわらず、まだ民主党よりは遥かに強い地方組織を持っているのである。
地方組織は各市町村や市の校区を単位とする支部組織と職域ごとの組織とに分けられる。後者については、以前と違い、建設、農林水産、医療、郵政、その他各職域での網目のような組織は種々な原因から弱くなっている。郵政などはいい例である。
政治献金の面でも経団連始め各団体も団体として自民党に協力して来た姿勢を改めている。
自民党にとって、各選挙区で差があるにしても、地域ごとの組織は、民主党よりも遥かに多い党員に支えられて、虫食いにはなっているものの、まだ健在であるところが多い。それらの地域の組織は専らその地区選出の衆議院議員の後援会組織と密接に結び合っている。とくに衆議院が中選挙区制から小選挙区制に変わってからは、その傾向が強くなっている。
自民党も参議院議員については、常時、独自の後援会組織を作っているところは殆どなくて、大任体衆議院議員の後援会組織の上にいわば乗っかっている形であって、6年ごとの選挙の度に一応後援会組織を作るものの、それは衆議院議員のそれの連合体に過ぎないところが多い。
それでは、何故、去年の衆議院の選挙で自民が負けたか、という原因究明になるのであるが、それはとくに職域組織の弱体化と別にして風の流れの変化と言えるであろう。風の向きは何と言っても仕方がない時がある。
22・7・18