財務省は管理職に民間人を登用するという。結構なことであるし、賛成である。

 今でも皆無ではなかったし、戦後暫らく、何らかの形で民間人の登用をしたり、省庁間で人事交流を行っていたことも知ってしる。今でも省庁間の人事交流はあるし、それはそれでお互いに他省庁の仕事についての理解を深め、省庁間の仕事の磨り合わせを良くする効果があった。

 大蔵省でも外務省の人が主計局で通産担当の主査となったり、警察の人が法規課の補佐となったり、かなりの交流があったことを知っている。

 又、以前は、民間の会社から省庁にかなり多く出向して来ていた。大蔵省の為替局、銀行局、経済企画庁などにはかなり沢山の民間の人が手弁当で来ていた頃もあった。官民の癒着が問題となって、交流を回避するようになったが、残念な経過であった。

 従って、これから省庁間、官民の人事交流の促進は大へんに結構であるし、進めるべきであると思っている。ただ、官庁の秘密の保持は厳しくしておかなければなるまい。

 又、この頃、天下り先が少なくなって、公務員OBが大学の先生になる例が増えている。私は、省庁と大学との人事交流を進めることも大賛成である。ルーティンワークで少々鈍くなった頭を大学で錆落しするのも有益であるし、とにかく机上の理論で空まわりしている大学の先生に省庁の泥くさい現場の仕事に漬かって貰うのもいいのではないか、と思う。