博報堂中興の祖と言われた近藤道生氏が6月30日亡くなった。彼とは昭和17年9月、大蔵省入省の同期生である。戦時下で半年繰上げて大学を卒業、入省と同時に、他の多くの仲間と同様、彼は海軍、私は陸軍でお互いに戦地へ赴くことになった。幸い戦後ともに大蔵省に復職し、30年近い役人生活を送った。その間、大阪では、彼が国税局長、私が財務局長として地方の勤務も共にしたし、又、最後は彼が国税庁長官、私が事務次官を勤めて退官した。

 その後、彼は博報堂に入り、社長として内紛で混乱していた同社の立て直しに盡力し、社長退任後も亡くなるまで最高顧問として同社の発展に意を用いていた。

 同期生も1人去り、2人去りして、淋しくなったが、近藤氏の逝去で一層その感を深くする。ご冥福を祈るや切である。