国会議員の一人区というものは、変動が大きい。参議院について見る。過去の自民党の戦績は左の通り。

 

 1989年 宇野 宗佑 26選挙区 3勝23敗

   92年 宮沢 喜一 26選挙区 25勝1敗

   95年 河野 洋平 24選挙区 15勝9敗

   98年 橋本龍太郎 24選挙区 16勝8敗

 2001年 小泉純一郎 27選挙区 25勝2敗

   04年 小泉純一郎 27選挙区 14勝13敗

   07年 安倍 晋三 29選挙区 6勝23敗

   10年 谷垣 禎一 29選挙区 ?勝?敗

※名前は当時の総裁。推薦を含む。敗北には不戦敗を含む。敬称略

 つまり、自民党は勝つ時はとんでもなく勝つ時もあれば、とんでもなく負ける時もあったということである。1人区の怖ろしさがよくわかる。

 衆議院を中選挙区から小選挙区に切り換える時、河野自民野党総裁のもと選挙責任者である総務局長として公職選挙法の改正に直接当っていた私としては、その後の参議院選の1人区の戦績に深い関心を持ってきた。正に与野党の政権交替を容易にする選挙制度の改正であった。1人区は複数区と違って0‐1のデジタルであって、少しづつの票の勝ちでも全体としてはワン・サイドに近いゲームとなってしまうのである。それだけに風がものを言う。

 2人の退陣で旗色のよくなった民主党が、今また消費税引き上げ論で有権者の支持を減らしつつある。そこをもっともっと自民党は力をこめてつかなければならない。私は自民党員としてそう思う。


                                    22・7・4