参議院選のさ中、直に選挙戦について物を言うのは控えよう。しかし、昨年9月に始まる民主党政権は一体何をやってくれたのだろうか、と眺めてみると、情けない気がする。大体、閣内意見が不一致。お互いに政策について非難しあったり、総理の言ったことを閣僚が即座に反対したりする。自民党内閣の時は、そんなことはなかったし、閣内不一致と一番やかましく攻めたてたのは、野党・民主党ではなかったか。

 誰かが小学生の内閣みたい、と言ったが、それほどまでにないにしても、閣僚が勝手に物を言って、しかも纏らないとあっては、政権坦坦能力はない、と言わざるをえない。

 小鳩内閣と言われた。小沢、鳩山両氏が身を引いたのを一番残念がったのは自民党である。もう一寸頑張ってくれたら、この度の選挙も今よりいくらか闘い易かったのにと口惜しかろう。

 2人のお父さんをよく知っている。いずれもある意味では一言居士、言い出したらなかなかきかないところがある、そのDNAは引き継がれているようだ。

 金の問題が2人の第一線を退く原因の1つ、あるいは最大のものだが、鳩山氏の方は、出した人が実のお母さんだけに、何となく親が子に金を渡すのが、どこが悪いのだろうという世間の人の感覚がなしとしない。しかし、小遣いとは言えない金額では、脱税王という評言はいささかどうかと思うが、贈与税を払わなかったのはおかしいと思う。小沢氏の方は、何となく政治資金でせっせと自分名義の土地や建物を仕込んでいたという印象があって良くない。

 世間の普通の人の感覚は恐ろしいものであって、2人の退陣は、止むを得ないと思っている。

 いずれにしても、マニフェストはそのままでは実現されない。頬かぶりにしないで、堂々とこういう見込み違いで、マニフェストは修正せざるをえなくなったと発表し、新しい政策の道をマニフェストした方が遥かに有権者の了解をえ易いのではないか。われわれは民主党がそう出て貰っては困る立場だが、假に民主党を支持する人の側に立てば、そう思う。

 民主党の政策の最大の欠陥は、景気対策がないことである。それではダメである。


                                   22・6・28