参議院選が始まった。1人区与野党伯仲と聞いて、ついじっとしていられなくて、地元の候補の応援にかけつけた。

 自分のときは、よくわからないが、人の選挙となるとわかるところがある。1人区となると、複数区と違って、風の流れが怖い。

 個人演説会も毎晩いくつも回った。会場に入った途端、雰囲気がわかる。マイクで一声した反響で、うまく乗れるか、乗れないかが、ビンとくる。乗れないときは悲しくなる。焦ってはダメだと思いながら努力すると、裏目に出て、シラけてこまったりする。

 選挙の怖いところは人の口である。いくらビラにいいことを書いてバラ撒いても、普通の選挙民はまず見ない。しかし、演説を聴いて、詰らなかったり、反撥したりすると、直ぐ人にしゃべる。良い噂はなかなか傳わらないが、悪い噂はまたたく間に傳わる。悪事千里を走る、というが、悪い噂は悪事みたいなもの。面白いように拡がって行く。隣りの不幸はわが家の喜びという言葉があるが、それ程ではないにしても、人は何となく他人の悪口を言ってみたいものである。

 選挙のマニフェストは当てにならないものの1つになっているが、個々の候補者のいいことの約束も皆それ程信用はしていない。だから、選挙後、それが外れて、その通りにならなくてもそれ程悪いとは思わない。しかし、初手から嘘をついたな、と思われたら、しっぺ返しは恐ろしい。人の誠が大切なところである。

 自民党は政権にあること50有余年。途中感心しないこともあったけれど、大筋において政策はぶれていなかった。民主党はまだ政権担当能力のないことを昨年末如実に示してくれた。経験の積み重ねは大事である。ただ失われた10年は取り戻せないが、これからの日本の進路についての舵取りはやはり自民党に任せたい。その方が安心である。


                                   22・6・27