少し気楽に言わせて貰う。この頃、地方へ行くとよくわかるのだが、とくに県庁所在地などでは一流の料亭ほどダメになって、廃業するところが続出しているという。その原因の1つは官々接待の廃止であるという。私も実態は調査したわけではなく、もっぱら風聞を基にして物を言っているので、ひょっとしたら間違っているかも知れないという懸念はあるが、どうも本当だろうという気もする。

 たしかに、昔は中央官庁から出張して来た役人を地方官庁が接待にこれ務めるという風潮はあった。それは、何といっても国から府県・市町村という地方自治体への補助金を確保しようというような努力のなせる業でもあったろうが、どちらかという恒例化としていて、その意味では儀礼的な面もかなり多かったと思う。

 中央官庁間でも時に会食をしていた。何といっても人間関係の潤滑油は飯を食うことにあるので、官庁間といえども一緒に食事をするくらいの金は使えるようになっている。

 民間会社のなどの官庁の役人の接待はたしかに汚職などいろいろ好ましくない関係のもととなるおそれがあるから、厳しくすることは必要であるが、といって、たかが飯を何回か食べたくらいで、どうこうということも考えられない。役人もそれほど誘惑に弱いとは思えないので、それも一切禁止するということはないと思う。勿論、某省の次官のように特定の業者と頻繁に食事だ、ゴルフだ、旅行だというようなつき合い方は、正に李下に冠を正さずのいましめに反することになると思う。

 法人税法がきわめて厳しい交際費の制限をしていることも問題ありとしない。広告費とのバランスを考えても交際費を経費として認めるのは当たり前のことで、支出先の飲食店段階での所得の補足が困難であるからといって、経費であるのに損金として認めない、ないしは認める額を厳しく制限するのは、どうも妥当ではない、と考えている。

 私が自民党の税制調査会長の時、同じ意見だった山中最高顧問の賛同を得て、少々だが交際費の損金算入を緩めることとしたのは、その考え方からであった。本来、交際費支出全額を損金に算入すべきだと思う。

 会社が交際費を今よりも使ってくれるようになれば飲食業界がうるおうのは勿論、何となく経済界に活気も出てくるだろうと思うので、民主党の一体化した税調で、1つ思い切って、全額損金算入を認めて貰ったら、民主党の支持率も少なからず上がるような気がするが、如何なものであろうか。