6月20日の日経・朝に「金融危機が変える武器市場」という見出しで「新興国が武器の買い手として存在感を増している」、「先進国は仁義なき輸出、中国は輸出国としても存在感」と記している。

 私は、主計局に在職中、防衛予算も担当して来たが、正面装備の整備のための武器購入について、国防会議での議論は、防衛庁、外務省、大蔵省は輸入、通産省は国産と意見が分かれることがあった。もう少し言えば、防衛庁は内局の装備局(局長は代々通産出身)は国産、肝心な武器を使用する幕僚幹部は輸入と分かれることがあった。詰り、今や日米軍事同盟で日本と米国と戦争をすることなど考えられない以上、多量生産で国産よりも安く手に入る米国産の武器の輸入の方がいいと考えるので、内部で意見が対立する。

 航空機などがいい例であるが、開発費に巨額の投資を必要とするだけに、その1機当たりの負担は機数が増加するにつれて安くなることはまことに明らかである。国産の武器輸出も出来ず、製造数が少ないので、どうしても高くつく。そこが泣き処であった。

 近頃、例えば、輸送機は民間の旅客機とほぼ同じ仕様なので、旅客機としての輸出は認めてもいいではないか、という意見があると聞いている。

 米国などでは、軍事用として巨額の開発費を軍が負担することが、民間の旅客機のコストダウンに繋がって行くと見られている。

 汎用性のあるものなら、そう神経質に目くじら立てて輸出ストップを言わないで、この辺で考え直したらどうか、と思うが、どうか。


                                   22・6・21