テレビのゲゲゲの女房が視聴率20%を越えたというが、相乗効果で境港のゲゲゲのキタローロードのお客が今年は一番多かった一昨年の170万人を越えるだろうという。ゴールデンウィークは25万人の人出だったという。
これにあやかろうというので境港に妖怪スポットが6月19日発足し、知事、市長などの祝辞もあり、にぎやかにオープニングセレモニーを催した。いろいろな妖怪の像がキタローロードの両側に並んでいる、というだけといっては悪いが、ブームというのは恐ろしいもので、アッという間に100万人を超す見物人が来るようになった。妖怪の像もいろいろ被害に遭っているという。
どれだけのリピーターを確保できるだろうか、と疑問に思うこともあったが、リピーターなどあてにする必要がないというところをみると、少子化時代とはいえ、まだまだ日本にはかなりの人がいる証拠だな、と思った。
日本海側最大の漁港境港は一頃いわしを中心として年60万トンの水揚高で日本一を数年続けたが、いわし漁がパッタリとなると今や年10万トンの水揚程度となってしまった。いわしの漁獲量はピーク時は450万トンもあって、捨てるわけにもいかず、工場を作ってフィッシュミールなどにしていたが、今やその1%以下の漁獲となって、築地の市場でマグロよりも高いせり値がついたこともあるという。そのせいか、マグロを置いていないすし屋はないが、いわしは品切れというところが出る程である。
毎年、銀座の松坂屋でいわし食用化協会主催でいわしのいろいろな食べ方を御披露する催しを開いているが、肝心ないわしが品薄では仕方がないなという声を聞く始末である。
漁業のように自然を相手とする仕事はままならぬことが多く、私が会長をしている全国まき網漁業協会もいろいろ苦労がある。
一時は黒マグロの漁獲が増えて秋眉を開いたこともあるが、黒マグロの漁獲制限の話が国際間で持ち上がったりして、その帰趨にも眼が離せない。