イラ菅氏が総理になるとは、思ってもみなかった。世の中長生きすると色々な現象を見ることができるものだと思った。

 しかし、鳩山・小沢両氏が辞めないで欲しいと一番願っていたのは自民党であろう。鳩山が抱き合って小沢も辞めさせたのは、下品な表現を用いれば、いたちの最后ぺみたいなもの。しかし、辞める時の議員総会での鳩山の挨拶は良かった。もっと前にああいう演説をしてくれたら、もっと人気が出たろうに、と思う程であった。ただ、ひよどりが飛んで来て、家に帰れと言っているようだろうという一さわりは、なくものかなと思った。が、それが又鳩山らしいところであったかも知れない。一番辞めさせたくなかったのは幸夫人であろうとは、げすの憶測、言わないことにする。

 然し、総裁選で係員が読み上げる議員の名を聞いていると、知っている人が殆んどいないのにいささか驚いた。それくらい民主党の新人は世間、少なくとも私が知らない人が多い。以前は与野党を問わず、名前を知っていない人など殆んどいなかったことを思い合わせると、時代がかわったことをしみじみと思う。

 テレビが拾い上げた町の人の声に、誰かがこの内閣は子供の内閣みたいで、みんながバラバラに勝手なことを言っている、と評していた。うまいことを言うもんだと感心して聞いていたが、何となくそんな気もしないではなかった。失礼だが。

 しかし、今度官房長官となる仙石氏が政策に明るいと評している新聞があったが、失礼ながら、自民党の族議員の専門家は、そんなもんではなかった、ような気がする。時には役人が呆れるぐらい、専門分野に通じている人もいた。


                                   22・6・4