亀井静香大臣の言うように、身内からゴッソリ金が貰えるならいいが、企業献金は本当に禁止できるのだろうか。というより、禁止する必要はないのではないか。企業献金と政治との癒着が問題だと言うなら、個人献金と政治との癒着はありえないのか。

 オバマ大統領に最も多く献金した人が駐日大使となって来ているというが、こういう姿が望ましいのか。

 かつて新日鉄は自民党に年三十億円献金したという。政治資金規制法の改正で年一億円が限度となった。が、この間自民党の政府は新日鉄に何か特別な思典を与えたのだろうか。

 世間の人は見ないようで見ている。企業献金をもっと自由にする代りに嚴に公開するようにしたらいい。企業献金で明らかに政策に変なことがあったら、世間は黙っていないと思うが。

 かつて経団連が傘下企業に対して分野ごとに献金の目標額を毎年度示していたことは事実のようであるが、そのとおりに実行されなかったことも事実のようである。業容の変化に即応していないので、もめたことがあったとも聞いているし、今日、経団連が献金は企業の自主判断にと、従来の関与を中止したことは、結構なことである。

 個人献金を奨励するなら、税制上もっと所得控除を認めたらいい。しかし、米国などとくらべ、企業のリーダーの収入はほんとうに低いから、個人献金をいっても大したことは期待できないだろう。個人の給与で米国にいくらか近いのは野球の選手ぐらいではないか、それも一流の。

 ただ個人献金と言えば、ネット・カードの利用か楽天が昨年七月開設した個人の小口献金のための政治献金サイトを開設するなどいくらか情勢の進展が見えるが、果たしてどこまで期待できるか、である。