鳩山政権下の初めての予算が十二月二十五日決定した。過去最大規模九十二兆円の歳出を本来支えるべき税収は三十七兆円に過ぎず、過去最大の国債発行でも補てんし切れぬ分約十兆円は例の埋蔵金で賄うことにしたという。順番が逆か。埋蔵金をぎりぎり絞り出しても足らない部分を国債発行で賄うことにしたというのか。
いずれにしても埋蔵金とは何ぞや。強いて言えば長い間かかって溜めた政府のヘソクリである。
今回の十兆円の内訳は、財政投融資特別会計(財投特会)の積立金や運用益(約五兆円)、外国為替資金特別会計(外為特会)の運用益(約二兆円)、日本銀行からの納付金などの税金以外の収入である。要らない金かと言えばそうとは言えない金で、いざという時に備えているものであるから、確かに今日、明日要らないのかもしれないが、ムダに積んでいる金でもない。
しかし、問題は恒常的な収入源ではないから、一度費ってしまったらなくなり、後でポチポチ溜まってくるかもしれないが、本来あてにすべき金ではないのである。一時良ければいいという精神で安易な道を歩もうとしていることが見え見えである。その辺がこの政権の頼りなさとなって見えるのかもしれない。
21・12・28