実は、この設問は正確ではない。やろうと思えば、何だって出来ないことはないと思うが、假に所得によって子ども手当の支給を止めることとした場合、一体妥当な方法が見出せるか、どうかである。

 先ずどの程度の所得の額から支給をストップさせるかである。ここで困るのは現在世帯ごとの所得という把握の仕方が存在しないからである。各人ごとの所得は、税務署が承知しているが、一つの世帯に何人も働き手がいる場合などどうやって合算をするのだろうか。できないことはないと思うが、納税者番号制度でも導入すれば可能かも知れないが、この制度は現在も検討中であって、いつ実現するのかはわからない。将来世帯ごとの所得が把握できるとして、次にこの制限の限度額をどうするかである。

 何だか所得二千万円限度税が出ているようだが、一体所得二千万円以上の世帯はいくらあるのか。極めて微々たるものに過ぎない。となれば、大へんな手間をかけて所得制限をする意味は大してないと思う。つまりムダなことをすることになる。

 子ども手当を出すなら、マニフェスト通り所得制限など設けるべきではない。強いて実行すれば、大へんな手間暇をかけて、ほんの一部の世帯に不愉快な思いをさせるだけではないか。ここは一つ所得制限など設けるべきではないと思う。

 高額所得者は日本の所得税の厳しい累進税率によってかなりの負担を強いられているので、せめて、子ども手当ぐらいみみっちい所得による制限など設けるべきではないと思う。                            

                                二一・十二・十八