沖縄返還についての日米密約は、何かあると思っていた。例えば、米国の艦船が日本の港に入る時、核を持っているのに違いない、とは常識的にかなり多くの人が思っていた。当り前である。横須賀に入る艦船の核は、ハワイを出港する際に降ろすか、途中太平洋の中に投げ棄てていない以上、載せているに違いないのである。核を載せた艦船も飛行機も一歩も日本に飛来もせず、寄港もしないと言うならとも角、現実にそういうことはないことは誰が考えても見安いことである。
昔々その昔、密約の存在を心ならずも否定した吉野局長が今になって、密約の存在に自分もかかわったことを認めたので、長いこと嘘をついていた苦しさから開放されてホッとしているに違いない。
ただ、そのことよりも、日本が嘘をついていることの方が、日米間の本当の信頼関係を妨げるものである以上、この際眞実を語って置きたい気持ちになったのではないか。
非核二・五原則などいうそれこそ半端な表現を気にすることなく、この際、沖縄に関して存在する日米間の約束ごとはハッキリと開示して貰いたい。その方がスガスガしくて結構だと思うのは、私だけではないと思う。