当選者一名という小選挙区制の怖さは、かつて自民党が参議院議員の選挙において地方区で三県を除き惨敗した事実からでもよくわかっていた筈である。しかし、平成七年の公職選挙法の改定で、衆議院も比例区二百名、小選挙区三百名の併立制に踏み切らざるをえなかった。
平成十七年の衆議院議員の総選挙で東京二十五区のうち一区を除き自民党が勝ったが、今回は二十五区のうち三区を除き民主党が議席を占めた。
正に政権交代を容易とする制度になったことを改めて認識せざるをえないが、さてこれが本当に日本の国政にとって良い制度になっているのか、どうか考えざるをえない気もする。といって、今これを再び改正するような気運も動きもあるわけではない。
衆参両院のねじれ現象が解消されたので、今までよりはスムーズに政府与党案が成立する状態になった。となると、雌伏を強いられた自民党が果していつ政権に復帰することができるか、心もとない気がする。
しかし、私は、自民党の復活を祈っているし、又、そうあるべきだと思っている。となると、先ず、来年の参議院選に向けて、全党挙げての努力を傾注しなければなるまい。しかし、五年前の参議院議員選は自民党が大勝した時であり、来年はその改選期であるだけに、余程の覚悟をもって臨まなければなるまい。