「天の声にも変な声がある」とは、総裁選に敗れた福田赳夫氏が洩した有名な言葉である。西松建設違法献金事件における天の声はどうもそのまま実現したようである。随意契約案件ではないと思うが、天の声通りにことが運ぶには、その声をそのまま受け入れる業界の体質が問われなけれはならないし、発注者である官側がどういう対応をしていたのか、も問題なしとしない。

 そして又、小沢氏側の意向が天の声として受けとめられるに到った歴史的経緯も当然ふり返って検討せざるをえないではないか。

 もっとも、この天の声のお蔭でどれだけ国が損失を受けたかも当然問題とされなければならないが、前から私が指摘しているようにその価格が予定価格に限りなく近いということがいけないということになれば、予定価格そのものがそもそも高すぎるのであるから、それを思い切って下げておけばよいのではないか。もっとも安ければいいということでないことは勿論であって、不合理な価格では手抜き工事を招いたりする怖れがある。

(2009.6.21)