いわゆる足利事件で菅家さんの無罪が確定し、県警本部長が本人に直接謝罪したと伝えられている(六月十七日)。

 かつて、ソ連抑留中に全く覚えのない官名詐称などの嫌疑で取調べのため四ヶ月も監獄に抛り込まれた経験のある私には、全く身に覚えのないことで有罪の判決を受ける怖ろしさを実感できるのだが、さて、それでは真犯人は誰かという点と強制されたとは言え本人の自白の嘘を見抜けなかった裁判官の眼はどういうものだったか、という点にどうも疑念が残ってならないのである。


(2009.6.17)