世の中に「ことわざ」はいろいろある。辞典の好きな私は、ことわざに関する辞書も何冊か持っている。暇なときにそれを眺めみるのも楽しいものである。辞典と言えば、ことわざの他に、「古典おもしろ辞典」、「隠語辞典」、「江戸語辞典」、「江戸語字典」などもある。その一々を紹介したい気持であるが、ここでは、「故事ことわざ活用辞典」(創拓社刊、戸谷高明監修)からいくつか引用をしてみよう。
「一陽来復」 景気もそうなればいいが。
「果報は寝て待て」
果報は寝て待ててえが、こんなうめえ話が湧いてこようたあ思わなかったね。しかしまあ、よく俺に目さつけてくれたじゃねえか。無理もねえさ。いい男だもの。恋わずらいたあ、うぶな子だよ(和田誠「鬼が島」)。
「怪我の功名」
「勝負は時の運」
「棚から牡丹餅」
「泣き面に蜂」
「待てば海路の日和あり」 麻生首相頑張って下さい。
「一石二鳥」 間違えて「一鳥二石」と言った議員あり。
「売り言葉に買い言葉」 この間の麻生鳩山両氏の党首会談である。
「得手に帆を上げる」 道の人は得意なところでしくじるものである。
「勝てば官軍負ければ賊軍」 選挙で身につまされる。
「聞いて極楽見て地獄」 共産主義者も北朝鮮へ行けば、そう思うだろう。
「捲土重来」 口にするは易しくして、なかなかできないものである。選挙も負け癖がつくおそれあり。
「衆寡敵せず」 ソ連で一緒だったドイツの将校は「独ソ戦でドイツは負けたのではない。数が六分の一で足らなかったのだ」と言う。しかし、負けは負けである。
「順風満帆」 そう思う時が実は一番危い。
「高きに登るには卑きよりす」 市町村議会議員、県議会議員、国会議員と登ってくるのは容易なことではない。二十代や三十代でポンと国会議員になる人が増えたようだ。
「血で血を洗う」 骨肉相食む。何だか自民と民主両党は似たところも多いもんなァ。
「鶴の一声」この頃は滅多に聞けなくなった。昔は閣内では総理は鶴ではなかったか。
「天の時は地の利に如かず」 つづけて「地の利は人の和に如かず」
「敗軍の将は兵を語らず」 とは言うものの、敗けた時こそ兵を語りたくなるものだ。
「百聞は一見に如かず」 議員がとかく外遊したがるが、悪いことではない。
「元の木阿弥」
「竜頭蛇尾」 各党の公約を思い出す。
「禍を転じて福となす」 これこそ大事である。
まだまだ山ほどあるが、切りがないので、この辺で終る。読者諸賢如何。
(2009.5.31)