土、日の高速道の料金を千円どまりとし、それによる事業団の損失見込み五千億円を政府が補填しているという。たしかに、ゴールデン・ウィーク中の車の量は増加した。それがあらぬか、新幹線などの料金収入が減少した。政府が目論んだように観光地への旅客が増え、景気回復にいくらか役立ったのだろうか。

 そこへ、新型インフルエンザの流行による旅行の激減である。

今日(五月三十日)の朝日(夕刊)によれば、九月の五連休は、旅行業界が特需に沸いている、という。新型インフルエンザ騒動による旅行取り止めの反動でもあるという。

 つまり、こんなような景気のもとでは、急ぎでもない旅行に回すカネは増えようにもないから、どこかで余計使われれば、他のところへは回らなくなるという恰好ではないだろうか。

 景気がよくなりさえすれば、政府が黙っていたって、観光旅行へ出かける人も増えるに違いない。のだから、政府は、そう小手先の対策をチョコチョコ出す必要はない、ましてやそれに貴重な税金を使うようなことは考えない方がいい、ということにならないか。

 とにかく、先づ、長距離だけ高速料金を安くするような愚策は即刻中止すべきではないか。

(2009.5.31)