オバマ米大統領は、弁護士事務所経営者ジョン・ルース氏を新駐日大使に、米金融大手シティグループのルイス・サスマン前副会長を新駐英大使に任命することを決めたという。いずれも大統領選で資金集めに貢献した功労者だという。ブッシュ前大統領時代の二人の駐英大使も選挙資金調達の功労者であったという。
ところで、これが日本だったらどうだろう。その任命理由がこのように言われたら、たちまちブーイングではなかろうか。
もっとも、昔から米国では大統領が替れば連邦政府の役人のうち数千人が替ると言われている。いわゆるポリティカル・アポインティである。
良い悪いという前に、それが当り前となっているのであろう。とすれば、さらに政治的な意味あいからして、このような各国の大使の交替も不思議とは思われないのであろう。
私は、ポリティカル・アポインティの制度そのものが悪いとは思わないが、それは、政策の方針、方向を決めるごく上層部の役人に限るべきであって、課長級までもそれで動かすのは良くないと思っている。
役人がいつも政党のほうを見て日頃から政治的な行動と結んでいるようでは、行政の継続性、透明性などに響くのではないか、それは宜敷くないことだと考えているが、どうか。