政治家個人への企業献金廃止すべきだと民主党(全議員ではない)は主張しているが、本当にそんなことができると思っているのだろうか。

 個人からの献金だけにしたらまず集まらないし、思い切った税額控除でもして、国に税金を納める代りに政治家に献金することにすれば、かなり効果があるかもしれないが、そうなれば、実質国費による政党交付金とどこが違うのであろうか。

 或いは又、どこかの政治家で問題になったように、企業が社員の給料に政治献金分を上乗せして見せかけだけは個人献金にしている変な遣り方が拡がる懼れも大である。

 いっそ、思い切って政党交付金を倍増する代りに企業、個人を問わず一切献金を認めないという方式も考えられるが、これとて何か不自然であるし、これでは任命権こそ国にはないが、国家公務員が政治を行なうようにも見えて、これ又妥当ではない。

 そもそも企業が政治家に献金する時、必ず何らかの将来の見返りを期待していると見るのは妥当ではない。むしろ、一般的には、特定の利益を得るための献金という意識は薄いのではないか。

 むろん、中には、例えば建設業の業者が工事の情報をいち早く手に入れたり、入札に便宜を図って貰ったりすることを期待して献金をすることがないとは言えない。しかし、建設業者の全部が全部そんなことを考えていると見ることは事実に即しない。小沢氏のように特定の業者から何億円もの政治献金を受けている場合などは、具体的に行政側に働らきかけなどが行なわれていないにしても、政治の無言の圧力を感じることも当然あると思う。


(2009.5.12)