サッカーがこれほど沢山のプロチームが出来、何万人もの観客を集めて連日試合が行われるなど昔は思っても見なかった。今でも単純な球の蹴り合いのどこが面白いんだと言う人もいる。

 いずれにしても海外のサッカー熱がやっと日本にも拡まった、いや拡がりすぎたのかもしれない。

 以前はサッカーというより単にフットボール(蹴球)又はア式蹴球(アソシエーション・フットボール)と呼び、ラグビー・フットボールはラ式蹴球又は単にラグビーと呼んでいた。

 いずれにしても戦前は六大学野球と高校野球の時代で、小学校から中学校にかけての私は、早慶チームの選手の名前とポジションは諳んじていたし、昭和八年、明石中と中京商が準決勝戦を二十四回まで〇対〇で戦い、やっと二十五回目に中京商が一点を入れて勝ったという歴史的な試合もラジオに齧りつき、スコアーブックを拡げながら記録を書き続けたことを思い出す。