全まき(全国まき網漁業協会)の会長となって三十年以上も経つ。この間、いわしの水揚げ量が多い時は年間四五〇万トン、少ない時は数万トンととんでもない変化であった。鳥取県の境港でいわしの水揚げが五〇万トンにもなった時は、処理に困ってフィッシュ・ミールの工場も作ったが、今はミールにするどころではない。
数年前は全国的にさばが豊漁となって値が暴落したので、中国への輸出に精出して、安い豊富な労働力を使って加工する工場も出来た。
ただ、和食が世界的に評価されるようになると、魚の奪い合いも招きかねない。世の中そう一方的にうまく行くものではないということか。